アメリカ西海岸時間3月29日(日)午前12時30分現在、アメリカにおける新型コロナウイルス感染者数は12万4,686人で世界最多。死亡者は2,191人出ています。どちらも増加の一途をたどっており、感染者数にいたっては、数日まで世界最多だった中国との差がどんどん広がっています。
アメリカに住んでいるので、アメリカの深刻さは十分わかります。だから外には出ていません。今週末はさすがに自粛ムードが広がったという日本ですが、それでもまだまだ日本の深刻さは足りていないと思います。
アメリカに次いで感染者数が多いイタリアは、感染者が9万2,472人で死亡者数は1万23人。スペインは感染者7万3,235人、死亡者5,982人となっています。確かに感染者数だけを見ているとアメリカの方がひどいのですが(実際ひどいですが)、人口の観点から考えると、アメリカの人口が3億3000万人なのに対し、イタリアは6000万人、スペインは4600万人です。イタリアやスペインがいかに悲惨かがわかります。両国とも亡くなった方の実数はアメリカよりも多いですから、この疫病に対する不安と恐怖は想像を絶するものだと思います。次いで感染者が多いドイツやフランスも同様でしょう。
国名 人口 感染者数 死亡者数
アメリカ 3億2,700万人(世界最多) 12万4,686人 2,191人
イタリア 6,000万人(2位) 9万2,472人 1万23人
スペイン 4,600万人(4位) 7万3,235人 5,982人
ドイツ 8,300万人(5位) 5万7,695人 433人
フランス 6,700万人(6位) 3万8,105人 2,317人
John Hopkins University & Medicine, Coronavirus Resource Center
https://coronavirus.jhu.edu/
とはいえ、アメリカも深刻なのは変わりません。ニューヨークの医療現場は非常事態にさらされています。アメリカでは現在、25州で「自宅待機命令」が出されています(30日までには27州になる模様)。実にアメリカ国民の約2/3の2億2500万人が自宅待機を余儀なくされている計算になります。ロサンゼルスで同法令が施行されてそろそろ10日ほど経ちますが、その間私は食料品購入のために2日しか家を出ていません。平常時であればほぼ毎日外出し、スタバのコーヒーひとつにしても何かしらの購買活動をしていました。また、フリーランスの写真家として仕事をする私は自由にビジネス活動を行い、生活のための収入を得ていました。しかし今やそれが全くできません。妻は日本食レストランのサーバーですが、こちらも今は全く仕事ができず、二人で無期限の無収入生活を送っています。各々環境は違えど、アメリカでは2億人以上の人の動きが止まっているわけですから、よく「経済に与える影響は甚大」とさらっと耳にするこの言葉の意味が、実感としてよくわかります。
28日、ロサンゼルス港に巨大船マーシー号(U.S Naval Hospital Ship MERCY)が到着しました。これは、約800人の医療関係者と12の手術室(完全装備)や1000の病床、放射線科施設、医学研究所、酸素生産工場などを擁する海軍所有の巨大病院船。ガルセッティLA市長によると、マーシー号がロサンゼルスで最大の病院となるそうです。マーシー号の役割は、新型コロナウイルス感染者の受け入れではありません。それ以外の患者を受け入れることで、ロサンゼルス市内の医療機関の負担や不足、運営麻痺などを回避することを目的としています。医療崩壊の回避です。
余談ですが、マーシー号は原油や石油製品の大量輸送を目的に造られたスーパータンカーで、1980年代に病院船に改造されたものだそうです。