前提は僕の住む南カリフォルニアの話。新型コロナ、アメリカではここ数日で一気に話題になった感じがする。やっぱり日本とは時差があるね。病気のピークもアメリカはこれから来るんだと思う。スーパーに行っても紙類はないし、缶詰やパスタなんかも店頭から消えた。もともとマスクはしない国民だから今もマスクをしている人はほとんどいないけど、そもそもマスクを買い求める人っているのかなぁ? 最近はアメリカのTVニュースもコロナ一色だ。
日本のニュースでアジア人が差別されているという話題を見た。ウーマンラッシュアワーの村本さんがNYで「コロナで出ていけ」と言われたとYahooニュースで読んだ。この発言に対し彼は「おれは差別ではないと思ってる。おれも彼女もお互いを知らないだけ。ただ一言おれは彼女に言いたかった、そのでてけって言葉はいまおれが日本で一番聞き慣れてる言葉だよ。もちろんいいアメリカ人もたくさんいる。不安で同じ場所に、こもるより飛び出していい人にも怖い人にも会えばいい。優しくされたら誰かに優しくできるし、ひどい目にあったら自分は優しくしようと思える。経験に勝る成長はない。不安を楽しめ」って言ってるらしいけど、そもそも言ってることよく分からないんだけど(笑)、いやあのね、それって完全に差別でしょ。何かっこつけてるの?って笑ってしまいました。毒を吐かせていただきますが、英語ができないから反論できなかったんじゃない?本当に差別だと思っていないんならまぁ仕方ないけど、それ変だよって。
で、何を言いたいかというと、確かにアジア人が新型コロナのせいで暴力を受けたみたいな話はアメリカでもあるんだけど、個人的に日々の生活でそうした差別的な扱いを受けたり感じたりしたことは一度もないし、おそらく僕の知っている日本人の仲間もほとんど差別なんて受けていないと思う(ほぼ確信あり)。そういうのってこっちに住んでいたら分かるんだけど、面と向かって差別的な言動をする人ってめったにいない。僕は18年こっちにいて一度も差別的なことにあったことないから、ほぼないと言ってもいいと思う。だから村本さんのケースが珍しいと思う。
アメリカ人ってね、優しいんだよ。弱い人には手を貸すし、困っていたら声をかけてくれるし、めでたいことには「Congratulations!」って街中でも恥ずかしがらず声をかけてくれる。職業柄街中で頻繁にウェディング撮影するんだけど、誰も嫌な顔をしないし、それどころか近寄ってきて祝福のメッセージをくれる。撮影する新郎新婦には毎回「日本で一生かかって言ってもらえる数の『おめでとう』の言葉が撮影中にもらえますよ」って言うんだけど、撮影後には「本当ですね」ってほとんどのご夫婦が幸せな気持ちいっぱいでおっしゃいます。だからアメリカで撮影できて幸せだと思うし、僕はアメリカに撮影させてもらってる感が強い。そして、日本の新郎新婦に胸を張ってアメリカにお越しくださいって言ってあげられる。
おっと、話が逸れたけど、ある意味アメリカ人って日本人よりも何倍も人の気持ち考えていると思うんだよね(←日本の人ごめんなさい。僕も日本人だから日本にもこういう人がたくさんいることは知ってるんだけど、それをちゃんと表せる人は少ないと思うのです)。アメリカ人は人間的に素直というか。だから嫌なことは嫌ってはっきり言うし、悪いことは悪いって気を遣わず言うし、注意もされる。
昨日嫁さんとスーパーに行った。いつもよりレジが混んでいて、これもコロナのせいだなぁと思いながら並んでいたんだけど、僕らの前には白人のシニアのご婦人が並んでいて、僕らの後ろには白人のおばさまが並んでいた。シニアのご婦人は僕に話しかけ、後ろのご婦人は嫁さんに話しかける。一緒に買い物にきた僕たち夫婦は、レジで背中合わせで別々の人と会話してるわけですよ。「コロナ大変よね~」「あら、この鮭どこにあったの?」「今朝も来たんだけど、やっぱり今も物がないわね~」ってたわいないことを話しているだけど、これってアメリカに住んでたら全然珍しいことじゃなくて、ホントよく話しかけられるんです。そこは全く日本と違っていてみんなフレンドリー。彼女たちもアジア人に偏見を持ってたら僕たちに話しかけなかったと思うんだけど、たまたま前後に並んだアメリカ人がアジア人の僕たちに自分から話しかけてくるんだから、大半のアメリカ人はアジア人に対して差別をしていないと思うわけです。
もうひとつ、2日前にスーパーにひとりで行った。カートが全部なくて、仕方なくカゴで買い物をしようと思ったら、ひとつだけカートが残っていた。喜んだのもつかの間、タイヤ部分が壊れていて進まなかったのね。「あぁ、これで誰も使わず余ってたんだ~」と思って再びカゴを持った時、中からアメリカ人女性がカートを押して出てきた。僕の様子を中から見ていたようで、「私はもう大丈夫だからこのカート使ってちょうだい」って。いや、まだカートには荷物たくさん載っているんだけど、両手に抱えて「Have a good day」と言って車に行ったんですよ。僕の考えるアメリカ人はこういう感じ。イメージじゃなくてね、ずっと住んでいてこういうシーンにたくさん出くわすし、実際アメリカ人ってこういう人多いのです。
書いていたらいろいろ思い出すんだけど、いつだったか数年前の「5時に夢中」をYoutubeで見ていたら、その日のゲストがスピリチュアルカウンセラーの江原啓之さんで、多分アメリカの話題だったんだろうね、司会のふかわりょうが「アメリカに住みたいですか?」って聞いたら、「とんでもない!あんな差別の国行きたいくないですよ!」だって。声高に言ったのをはっきり覚えているんだけど、いや、日本の方が差別多いと思うよって画面向かって思わず言ってしまった。そもそもアメリカに住んだことないでしょ、多分、あなた…、って。
先日のTVニュースで、街角でトイレットペーパー1ロールを100ドル(!)で売っている人の話題をやっていた。取材時までに1ロール売れたらしい。一瞬悪い奴~って思ったけど、よくよく聞くと売ったお金を寄付するんだって。本当に寄付するか否かまで知らないけど、多分するんでしょう、ニュースにまでなってるんだから。こういう発想もアメリカ的でとても好き。
以上、とりとめのない話で申し訳ないのですが、言いたいことはアメリカはいい国ですってこと。だから今も住んでいます。まぁ、空になったスーパーの棚の写真をうれしがってポストするアメリカ人とか見たら「あららぁ…」って思うんだけど、日本人もいるよね、そういうの。もうやめようよね。